平成26年2月県議会 民主党・県政クラブ県議団の報告

1、2月議会の主な内容


(新村県議の代表質問、補正予算、意見書など)

2月定例県議会は2月26日に開会し、31日間の日程で、3月28日に閉会しました。本議会は予算23件、条例11件、契約6件、人事3件など合計60件の議案の提案がありました。2014年度予算は、総額1兆6,718億円の一般会計当初予算となり、9年連続の増額予算で前年比401億円2.5%の増となりました。

歳出面では公共事業費が国の補助事業と県単独事業を合わせ、前年比3.2%増の1,905億円を計上し、4月からの消費増税を控え、2月補正予算で362億4,900万円を追加し、新年度予算と合わせた14ヶ月予算で、経済対策や中小企業支援などで確実な景気回復をめざすとしています。

一方、歳入面では景気が回復基調にあるとして、法人2税や個人県民税などの県税等を、今年度より516億円の増収を見込む積極的予算を編成されていますが、財政状況は依然厳しく財源不足は明らかです。そのため、新年度の予算編成でも財政調整基金等3基金から46億円を繰り入れ、3基金の残高はピーク時の1991年度の1,772億円から、2014年度見込みで410億円に減少しています。国が借金を肩代わりする臨時財政対策債を除いた県債残高は、2012年度比で2016年度には550億円圧縮し、財政調整基金等3基金の取り崩しに頼らない財政運営を実現するとしています。

しかし、我が会派は、臨時財政対策債が際限なく増え続けることを危惧しています。なぜならば、地方の財源不足は交付税特別会計で借り入れを行い、地方交付税で地方に配分していた方式が、2001年から国の財源不足のため、地方が自ら借り入れる方式としての臨時財政対策債でまかなわれ、元利償還金は後年の交付税で措置されることになっているからです。その際、国の算定する県の一般財源総額が変わらないため、実際は他の経費が削られ、返済負担を県が負うことになり財政健全化が進まないことを代表質問で明らかにしました。

今回も県債発行は前年度比31億円減らしていますが、臨時財政対策債を含めた県債残高は2014年度で予算規模の2倍を超す3兆4、097億円の見込みと過去最大で、県民一人当たりで67万円にも相当します。

この厳しい財政状況を踏まえ、代表質問は、2ヶ月前から準備する会派の8回の政策審議会を経て、3月5日に新村雅彦議員(福岡市南区選挙区)が、地元や地公労の傍聴の中で行いました。今回の質問のため、「民主党・県政クラブ」県議団は2月3日~5日、16日~18日に視察を行い、鹿児島県の川内原発を皮切りに、日石喜入基地、京セラメガソーラー、畜産の6次産業化を展開する農業、県議会、そして宮崎県議会、授業に「学びの共同体」を導入している宮崎県の綾中学校、沖縄県の国頭中学校と、精力的に視察・見聞してきました。

これらを受け、代表質問では、知事には1期目の仕上げとなる2014年度予算編成方針、我が会派が質し続けている建築物の耐震化促進、福岡・北九州両空の将来構想、農業の6次産業化など、教育長には新年度の教育行政と予算編成、警察本部長には暴力団壊滅対策を質しました。

意見書は、連合福岡からの要請に応え、「労働者保護のための規則の整備を求める意見書」を提出し、採択することができました。

議会最終日には、追加議案27件(予算16件、経費負担10件、人事1件)を含め合計87件の議案が可決され、議会は閉会しました。

「民主党・県政クラブ」県議団の代表質問項目と主な内容、並びに一般質問、そして知事・教育長・警察本部長の答弁は、次の通りでした。

(代表質問)

 

1.2014年度の県政運営と予算編成


Q1.1期目最後の予算編成、どのような県政運営の舵取りをするのか?
A1.消費税率引上げによる景気の腰折れを回避、「着実な景気回復と雇用の確保」に全力を挙げる。
「財政改革推進プラン」を策定、行政改革と一体で取り組む。

Q2.今後も県民幸福度日本一を政策目標に掲げられるのか?
A2.県民の幸福実感は着実に上昇。「福岡県は日本一」「福岡県は一番生活しやすい」と思えるよう、
今後も「県民幸福度日本一」の福岡県を目指していく。
※他県と比較は難しいと答弁したにもかかわらず、他県との比較で一番を打ち出す、相反する答弁と指摘。

Q3.①新たな財政改革推進プランで財源不足を解消し、どのようにして620億円捻出するのか?
A3. 人件費は、定員削減や・給与水準の見直で約100億円。 事務事業は必要性や効果の低い事業を廃止で約330億円。 社会保障費は在宅医療の充実等で在院日数の短縮、ジェネリック医薬品の使用促進で約15億円。県単独事業は平成27・28年度に5%程度の抑制で約15億円。財政収入の確保は、県税の確保対策の強化、ふくおか会館敷地の定期借地方式による貸付、未利用県有地の計画的売却等で約160億円。

Q4.②今回のプラン案はこれまでとほぼ同一内容。人件費の抑制、事務事業の見直しは限界に来ているが?
A4.②人件費の抑制は、平成24年の行政改革大綱に基づく職員数の適正化・給与水準の実現が基本。
平成27・28年度、全ての事務事業を対象とし、必要性や効果の低い事業については廃止、抜本的な見直しを行う。

Q5.③これ以上の人員削減・人件費の抑制は、職員のモチベーションの低下と行政サービスの維持・向上に影響を与えると危惧するが?
A5.③所属長面談や職場討議などを通じて、意思疎通を図る、風通しの良い、活気あふれる職場づくりに取組み、職員のモチベーションと行政サービスの維持・向上を図る。
※再質問:世界で我が国の公務員が最も優秀。勤務労働条件の確保は極めて重要。「風通し云々」で職員のモチベーションが保たれるのか?(知事答弁は変わらず。)

Q6.4月からの消費増税対策について。プレミアム付き地域商品券への支援拡大は消費増税後にどのような効果があるのか?
A6.26年度は、商品券の発行規模を今年度発行見込み82億円から5割増しの120億円に増額。4月から6月で、約78億円が発行予定。消費の落ち込みが最も顕著な年度当初にできるだけ多く商品券が発行することが、より効果的。

Q7.県発注の公共事業について。資材の確保と人材確保、人件費の高騰に課題。入札不調の割合が急増。
どのように必要な公共事業を進めるのか?
A7.一部の工事で入札不調が発生。その割合は増加。再入札で概ね契約に至る。
新たに、「緊急雇用創出基金」を活用し、若年者の体験雇用や建設業の魅力を発信するセミナーを実施。
人材や資材の状況を注視し、公共事業の円滑な執行に努める。

 

2.国の事務・権限の自治体移譲 (後日、関連記事新聞報道)


我が会派は地域主権を推進するため、国と地方の役割を見直し、権限と財源を地方へ移譲すべきと主張。

Q1.新たな国の事務・権限48事項を地方自治体への移譲に対する評価は?
A1.国と地方の役割分担見直しで大変意義深い。国直轄道路・河川の地方移譲は地方の要望実現を評価。
ハローワーク、農地転用など、引き続き地方への移譲を求める。

Q2.国直轄の道路・河川の権限移譲のあり方は問題ないのか?
A2.建設費の交付税措置は、平成27年度から時限的。その終期は、明示がない。
期間経過後も、事務・権限に見合った税源移譲など必要財源の確保を国に求める。

Q3.県公共事業の市町村負担金の対象事業廃止と、財政負担軽減の総額は?
A3.平成21年度、市町村負担金を見直した。道路、海岸、港湾など6事業を廃止。
継続の市町村負担金総額は、平成25年度2月補正予算反映後で、約58億円。

Q4.国直轄事業の維持管理費廃止で、維持管理費はいくら削減されたのか?
A4.平成21年度の国直轄事業の維持管理費に係る道路、河川、公園事業の負担金総額は
約49億2千8百万円。(道路約16億7千万円、河川事業約30億8千万円)

 

3.緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の情報開示


Q1.SPEEDIの県民への情報提供に対する認識は?
A1.緊急時、SPEEDI拡散予測を国公表後、県もHP等で迅速に県民に情報提供。

Q2.スピーディの拡散予測を活用した広域避難計画の見直しは?
A2.玄海原発で万一大規模な原子力災害が発生した場合、避難は基本的に国の指示に基づく。
国の原子力災害対策指針は、気象予測やSPEEDIの拡散予測の結果等を参考に避難を指示し、実態に即した対応を行う。
※県は3月20日より、県ホームページでスピーディを簡単検索出来るよう改善。

 

4.バンコク事務所の体制強化


※これまでの会派の質問により、人員増が実現。現在(県職員2名、現地採用職員2名)

Q1.バンコク事務所の活動状況の評価は?
A1.アセアン地域は、県内企業の関心が高い。タイ・ベトナムに加え、ミャンマー、カンボジア、ラオス、インドなどとネットワーク構築を進めている。「クールジャパン・フクオカinハノイ」で友好提携先と交流事業など充実した活動を行っている。

Q2.バンコク事務所の体制強化は?
A2.アセアン各国やインドの経済・産業の発展状況、県内企業の進出の動向、事務所の活動状などを踏まえ、検討する。

 

◎ 建築物の耐震化促進について (会派の質問から新年度の予算に反映、新聞報道)


住宅の耐震化率を2015年に90%、2020年に95%の目標達成を質してきた。

Q1.耐震改修促進計画の策定及び木造住宅耐震改修補助制度の進め方は?
A1.計画は2月末現在、53市町村策定済み。年度内に、全ての市町村で策定見込み。(市長選の1市を除く。)
市町村の財政負担を県の補助要件とせず、県全域で県民が補助制度を活用できる制度の見直しを行う。

Q2.民間建築物への耐震診断補助制度の増額で、大規模建築物の診断は完了するのか?
国の補助率が11.5%と低く、実際に耐震改修工事は進むのか?
A2.所有者に耐震診断が義務付けられた建築物と通知し、国・県の補助制度を周知。
県と業界団体が連携、耐震相談窓口で確実に実施されるよう助言する。

Q3.遅れている私立学校への耐震化の診断・改修新規事業の計画は?
A3.学校施設の耐震化は喫緊の課題。新年度から3年間、国の補助に上乗せ独自の補助制度を創設、耐震化の促進を図る。

Q4.鉄道駅舎等耐震改修事業の対象駅と鉄道駅舎等の耐震改修計画は?
A4.主要ターミナル駅を事業者、国・県・市が協調し、耐震改修を実施。
対象駅は複数の路線・1日1万人以上利用・高架駅で、県内5駅。
調整済みのJR博多、西鉄薬院、大橋の3駅を、新年度から工事を実施。

 

◎福岡空港と北九州空港の将来構想について(翌日、新聞報道)


Q1.両空港の連携強化を、九州運輸局長は「佐賀空港や北九州空港の活用が必要」と言及。
知事はどのように思うのか?
A1.福岡空港の平行誘導路二重化と滑走路の増設を着実に進め、一方、24時間利用可能な
北九州空港の一層の利用促進に取り組むことが重要。

Q2.福岡空港と北九州空港の一体的な運営を検討する時期と思うが?
A2.両空港が互いに補完し合い、今後も増大し、多様化する航空需要に幅広く応え、本県、ひいては九州全体の発展に寄与することになる。

Q3.福岡空港の民間委託の検討状況と、民間委託の是非の判断は?
A3.30年から50年間の福岡空港の運営のあり方に関わる重要課題。丁寧かつ慎重に検討することが必要。

Q4.福岡空港の今年度、発着回数は17万回を超え、容量限界14万5千回を大幅オーバー。
新空港建設に県民世論誘導の為、容量限界を大幅に低設定したのか?
A4.14.5万回の発着回数は、混雑や遅延なく、年間を通じ安定した運航可能な容量。
福岡空港は平成24年にこれを超え、昨年はヘリコプターを除き16.3万回。
遅延が一層激しい状況、滑走路増設による処理容量は、航空機の小型化が進展する中、国に対し、その精査を求めているところ
※   当時の容量限界設定の妥当性を再質問。両空港の一体的運営は、井上議員が予算特別委員会で質問・追及。今後も会派で質していく。

 

◎農業の6次産業化推進について


加工・流通・販売を手がけ、ブランド力や雇用を維持・拡大、収益安定の農業の6次産業化の推進について。

Q1.本県の農業・農村の持続的発展ビジョンに、6次産業化の位置は?
A1.農産物価格が低迷、経営安定の為、消費者ニーズに対応した生産・販売、付加価値を高める取組みが一層必要。
6次産業化の取組みは重要で、地域資源活用の6次産業化の推進を、今後の農業振興の柱と位置づけている。

Q2.農業者の安定生産基盤の為、経営指導はどのように行っているのか?
A2.雇用型経営を目指す農家に個別面談を実施。労働時間の均一化を図り、品目の組み合わせ、施設整備など
経営計画の作成を支援、農業者の経営力強化を支援。

Q3.6次産業化促進支援で重要な流通網の構築・販路開拓は
A3.関係部局や農業団体・商工団体と連携、商品開発から販路開拓まで総合的に支援。
新年度から販路拡大の為、優れた6次化商品を認証する制度を創設
※今後も6次産業化は農業振興の柱として質していく。

 

◎教育問題について


1.2014年度の教育行政と予算編成

Q1.県内の小学校15校、中学校7校の「学びの共同体」の実践への認識は?
A1.児童生徒の学び合い・聴き合い・教え合いを重視した学習活動を学校全体で進め、人間関係の
形成や考える力、表現する力の向上を目指す取組みと認識。

Q2.新年度からの土曜授業で、学力が本当に向上するのか?
A2.土曜日の正規の授業で授業時数を確保。外部人材の活用で少人数指導や習熟度別指導等が充実。
学ぶ意欲の喚起や学力の定着を図ることができる。

Q3.どのような予算編成方針で人件費と教育施策に予算を計上したのか?
A3.教育施策実施計画の学力の向上や信頼される学校づくり等の主要施策を実施する観点から、
新規事業の創出と教職員の人件費を計上。

Q4.学習支援する18の学力向上推進強化市町村の指定基準と効果は?
A4.全国学力テストで全国平均以下の市町村で、特に重点的支援が必要な市町村を指定。
非常勤講師の配置や学力向上支援チームを優先的に派遣。
※どうすれば真に学力向上につながるのか問い直す時期と指摘。

Q5.これまで質してきた県立高校へのプロジェクター、英語専用教室の整備はどのように進むのか?
A5.プロジェクターの配備は、要望を踏まえ必要性を確認し個別に対応。英語専用教室の整備は、
要望を踏まえ余裕教室を英語専用教室へ転用する。
※新年度、要望校4校にプロジェクター全教室配備、英語専用教室2校で整備。
※会派の質問の結果、ICT活用教育研究事業費に2千万円の予算が計上された。

 

◎暴力団壊滅対策


県内の暴力団は2013年末時点、1730人。暴力団対策法施行後、1992年以降、最小。
一方、市民が巻き込まれる事件が後を絶たない。


Q1.暴力団組事務所差し止め訴訟を行う代理訴訟制度は、なぜ利用がないのか?
A1.暴力団相手に訴訟すること自体、住民は大変な恐怖や精神的負担となる。

Q2.代理訴訟制度で住民の匿名性の担保は、配慮・改善されているのか?
A2.付近住民等から委託を受けた暴追センターが、原告として訴訟を提起。
委託の付近住民等に対し、暴力団からの報復の絶無を図るため保護対策に万全を期す。

Q3.代理訴訟で勝訴したら、組事務所の撤去・立退きが可能にならないか?
A3.過去の事務所使用差止請求訴訟で、住民側の請求容認又は住民側有利の和解の結果、暴力団側が土地、建物から退去している。今後も、暴追センターと連携し住民の訴訟支援、事務所撤去を強力に推進する。

Q4. 暴力団壊滅対策の決意は?
A4.暴力団対策の要員増員、暴力団犯罪捜査体制を強化。暴力団壊滅は、県民の悲願、警察本部長の使命。
県警察が前面に立ち、行政・県民と一体となった暴力団排除活動を強力に推進、本年を「暴力団の存在しない福岡県」の一年とする決意。

 

 

2、一般質問(登壇順)


1.守谷 正人県議
①空き家対策   ②がん対策の推進

2.井上 博隆県議
①体力向上策   ②小学校体育科授業のあり方

3.堤 かなめ県議
①子どもの貧困対策

4.田辺 一城県議
①保健師の活動の推進  ②若手農業者の支援策

5.原竹 岩海県議
①森林行政、間伐材を利用した「木になる紙」の取り組み
②教育委員会制度の見直し問題

6.中村 誠治県議
①本県の景気、経済、雇用対策

7.原中 誠志県議
①薬物乱用防止対策 ②飲酒運転撲滅対策

8.大橋 克己県議
①福岡県内の常備消防力格差

9.小池 邦弘県議
①スポーツの底辺拡大と組織化 ②県立高校の定員割れ問題

10.岩元 一儀県議
①花粉症対策   ②ボーイスカウト活動の支援 ③ひとり親家庭の支援

 

 

3、予算特別委員会


○冨田議員(副委員長) ○畑中議員(理事)  ○田辺議員 ○仁戸田議員
○井上議員 ○大橋議員 ○堤議員 ○原中議員 ○原竹議員

 

 

4、採択された意見書・請願


○「労働者保護のための規則の整備を求める意見書」(「民主・県政クラブ」)
○飼料価格の高騰対策をはじめとした畜産経営安定対策を求める意見書
○食の安全・安心の確立を求める意見書
○微小粒子状(PM2.5)による大気汚染対策に関する意見書

 

 

5、その他


東日本大震災から3年目となる3月11日、議会は1分間の黙祷から始まり、哀悼の意を表しました。