平成26年9月県議会 民主党・県政クラブ県議団の活動報告

1.9月議会の主な内容


(仁戸田県議の代表質問、補正予算、意見書など)

9月定例県議会は9月17日に開会し、21日間の日程で、10月7日に閉会しました。2月議会で今年度予算が成立したことを受けて、本9月議会は補正予算案の提案が1件、条例9件、契約10件、経費負担6件、指定管理者の指定1件、人事1件、合計28件の議案の提案がありました。

補正予算は、事前防災・減災対策として緊急輸送道路の整備、医療施設の防火設備の設置と共に、一昨年7月の豪雨災害に伴う被災箇所の年度内復旧を図るための災害復旧費を増額。併せて、「東京オリンピック・パラリンピック」のキャンプ地誘致、鳥獣による農作物を防止するための侵入防止柵整備など、喫緊の課題に対応するための必要な経費として、101億9千万円を補正予算として計上しました。補正後の予算規模は、1兆6、820億2千万円となります。

代表質問は、2ヶ月前から会派の政策審議会で今回は9回の審議を経て、9月24日に仁戸田元氣議員(福岡市西区選挙区)が行いました。

今回の質問に向け、会派として7月28日から8月1日の間、モンゴルを視察し「2020東京オリンピック」開催にあたり、県としての親書を渡し、モンゴル国選手団が県内でキャンプをするための誘致活動や、ゲル地区問題解決のため、県としての環境や都市対策支援、並びに経済交流等を目的として、駐モンゴル国日本国大使館やJICAモンゴル事務所、国連ハビタット事務所など視察・意見交換を行いました。

また、8月19日から22日の間、シンガポールを視察し、出向の県職員と経済・観光などの意見交流を行いました。また、国立教育研究所では、東南アジアの学校現場の改善に取り組むシンガポールの南洋理工大学・国立教育研究所の斎藤英介准教授を訪れ、国内でたびたび視察し質問で取り上げている授業の工夫・改善としての「学びの共同体」を見聞し、また県産品を調査し今後の海外戦略の展開に反映するなど、実りある視察を行いました。

これらを受け代表質問では、9月11日に全国で唯一「特定危険指定暴力団」に指定の工藤会のトップが逮捕されたことを受け、500万県民の悲願「暴力団のいない安全・安心な社会の実現」を願い、知事と警察本部長に暴力団壊滅対策の決意を質してから代表質問に入りました。

主な質問は、福岡市の創業雇用特区問題、福岡・北九州両空港の一体的運営ビジョン、稲の「いもち病」対策、国民健康保険制度の市町村から県への移管問題、局地的豪雨対策などを知事に質しました。また教育問題では、全国学力テストの課題を知事と教育長に質しました。

意見書では、民主党・県政クラブから「教員定数の改善および義務教育費国庫負担制度の復元を求める意見書」(高教組からの要請)を提出し、採択することができました。

これらの経緯を踏まえ、議会最終日には特別決議「暴力団壊滅に関する決議」を全会一致で可決し、合計28件の議案も可決され、議会は閉会しました。また、危険ドラッグを規制する全国で初めての議員提案による条例の制定に向け、議会として調整会議を立ち上げ、12月議会で提案することになりました。

民主党・県政クラブの代表質問の項目と主な内容、並びに一般質問、そして知事並びに教育長と警察本部長の答弁の概要は、以下の通りです。

 

◎県政推進の基本姿勢について


1.暴力団壊滅対策


【問】暴力団壊滅対策について(知事へ質問)※翌日新聞報道
【答】
全国に先駆け暴力団排除条例を制定した後、2度改正。2012年度以降、暴力団対策として、県内に防犯カメラを計284台を設置。
昨年、警察官を100名増員、全国から機動隊員、専従捜査員合わせて約600名の応援派遣。

【問】暴力団壊滅対策について(警察本部長へ質問)
【答】
「工藤會」の最高幹部2名を殺人などの容疑で通常逮捕。約3,800名体制の「工藤會関連事件特別捜査本部」を設置。工藤會に壊滅的な打撃を与えるため、組織一丸、不退転の決意で取り組む。

【問】県内に5つある指定暴力団の壊滅も含めた暴力団対策(警察本部長へ質問)
【答】
道仁会と浪川睦会は本年6月、法律の趣旨で特定抗争指定暴力団等としての指定を解除。今後も、それまでの規制と各種取締りで対立抗争に係る暴力行為を封圧する。県内に全国最多の5つの指定暴力団の本拠があることを重く受け止め、「暴力団の存在しない福岡県」の実現に向け、暴力団の壊滅対策を強力に推進する。

 

2.福岡・北九州両空港の一体的運営ビジョン(知事へ質問) ※翌日新聞報道 


【問】「福岡県の空港の将来構想」策定の考え方について
(会派の考え方の「両空港の一体的運営ビジョン」を反映して、知事が8月29日、「福岡県の空港の将来構想」骨子案を提案した経緯がある。)
【答】県議会での議論を踏まえ、福岡空港と北九州空港の将来のあり方について、県としての考え方を整理し、取りまとめるもの。
両空港の機能強化、路線誘致を進めながら、役割分担と相互補完を進めていくのが基本的な考え方。
福岡空港は、平行誘導路の二重化と滑走路増設により空港機能を向上させ、未就航海外路線の戦略的誘致を行い、国内外のネットワークを拡充し、九州、西日本、アジアの拠点空港として発展していくことを目指す。
24時間利用可能な北九州空港は、早朝・深夜便やLCCの誘致、企業・住民ニーズの高い路線展開を進めるとともに、貨物拠点化に向けて取り組んでいく。
空港利用者が両空港を一体的に活用できるよう、福岡都市圏と北九州空港のアクセスを向上させ、両空港間で航空券の変更ができるマルチエアポート化を進める。

【問】福岡空港の滑走路増設は民間委託が条件とされたことについて
【答】民間委託が前提は、国が増設の早期着手が必要との認識のもと、地元の要望等も踏まえた結果。

【問】滑走路増設後の処理容量と需要予測について
【答】処理容量は国が実測調査を行い、分析された結果。需要予測も、交通需要予測での四段階推計法を用い、人口やGDP等、最新のデータに基づき算定、信頼できるもの。
※滑走路増設後の処理容量と需要予測の信憑性は疑わしいと指摘し再質問。今後も追及していく。

【問】北九州空港の滑走路延伸について
【答】北九州空港は、貨物拠点空港としての発展を目指して、大型貨物専用機の長距離就航が可能となる3,000mへの滑走路延伸に向け、県議会と連名で行っている政府予算要望の最重点項目として、国に対し強く働きかけている。

【問】北九州空港でのMRJの飛行試験に向けた対応について
【答】三菱重工は、MRJの2015年の試作機初飛行、2017年の量産初号機の納入に向け、試作機7機を生産。三菱重工をはじめ、地元自治体や国等の関係機関と十分協議を行い、北九州空港で飛行試験が円滑に実施できるよう取り組む。

【問】福岡・北九州両空港の一体的運営を可能にするアクセスの整備について
【答】両空港を一体的に活用するため、空港へのアクセス向上は有効。「福岡県の空港の将来構想」の骨子案は、福岡空港は自動車専用道路による空港ターミナルへの交通アクセス強化を目指し、北九州空港は、苅田北九州空港ICからの直通連絡ランプの整備を目指す考え。

 

3.福岡市の創業雇用特区問題(知事へ質問)※連日、関連記事が新聞報道


【問】福岡市の国家戦略特区における区域会議への本県労働行政の立場の反映について
【答】関係地方公共団体の長は、区域会議の構成員だが、閣議決定された「国家戦略特別区域基本方針」において、参加する関係地方公共団体の範囲は、議事に応じて決定され運用。県知事に対して、区域会議への出席が求められるのは、本県が直接規制権限を有する事項を議論する場合である旨、内閣府から説明を受け、確認をした。
しかし、県知事の出席の有無にかかわらず、特区で実施する事業のうち、県行政と関連するものは、庁内担当部局が必要に応じ福岡市から説明を受けている。雇用・労働分野においても、こうした場を通じ、労働者支援に関する県の取組みや考え方について、福岡市に申し述べているところ。
国に対しても、国がその設置を検討中の「雇用労働相談センター」が、労使紛争の未然防止という目的を果たせるよう、労使双方に十分な情報提供に加え、労働者支援事務所をはじめとする県の労働機関との連携・協力と、そのための協議の場の設定について、申し入れているところ。

【問】「雇用指針」について
【答】起業直後の企業や外国企業が、国の雇用ルールを的確に理解することで、労使紛争の予見可能性を高め、未然に防止することが目的。その内容は、労働契約に関する裁判例の分析、類型化及びこれに関連する法制度や雇用慣行をまとめたものであり、現行の雇用ルールを前提として作られたものであると認識。この指針を活用し具体的な相談・助言の際は、労使双方が公平・公正に行われるよう、十分に留意する必要がある。

【問】国や県の労働行政と「雇用労働相談センター」との調整・連携について
【答】国において設置を検討中の「雇用労働相談センター」は、特区内にある創業直後の企業や外国企業等に対し、雇用ルールの周知徹底と紛争の未然防止を図るための「雇用指針」を活用し、具体的事例に即して相談、助言を行う。
県の労働者支援事務所は、主に労働者を対象に、賃金や解雇、職場のパワハラなど、様々な労働問題に関して、年間1万件を超える相談に対応。実際に労使紛争が生じた場合、労働者と使用者の間に立って意見の調整を図る「あっせん」を行い、迅速な解決を図るなど、きめ細かな支援を実施している。
県は、「雇用労働相談センター」が設置される場合、労働者支援事務所をはじめ、関係する県の労働機関との連携・協力が必要であると考えている。国に要請している協議の場を通じて、具体的な連携方策について国と協議していく考え。

 

4.いもち病対策(知事へ質問)


【問】いもち病の発生状況と対策について
【答】本年8月の天候は、平年に比べ平均気温が1.2度低く、降水量は約3倍、日照時間は約4割の長雨・日照不足で、水稲ではいもち病の発生が見られた。県は、いもち病が穂へ感染して収量の大幅な減少にならないよう、出穂前に21年ぶりとなる「警報」を出し農家に対し注意喚起を行い、薬剤散布を徹底してきた。
この結果、農林業総合試験場病害虫部が9月5日に行った調査では、収量に影響を及ぼす穂での発生は3%にとどまっている。いもち病の防除は、農薬使用基準の順守を徹底して、薬剤散布後収穫まで1か月以上あるため、残留農薬の問題は生じることはないと考えている。

【問】水稲品種の作付け誘導のあり方について
【答】中山間地域では、冷涼な気候でも収量が安定し食味の良い「夢つくし」を中心に、平坦地域では、「夢つくし」に加え、収量の高い「ヒノヒカリ」や高温に強く食味が良い「元気つくし」を中心に作付けを進めている。

 

◎ 国民健康保険制度の県への移管問題(知事へ質問)


【問】市町村国保の構造的な問題と県移管による赤字問題の解決に対する所見について
【答】市町村国保は、高齢者の割合が高く医療費水準も高くなる一方、無職者の割合が高く所得水準が低く、保険料収入が得にくい構造。小規模保険者が多く、財政運営が不安定になるリスクがあり、厳しい財政運営。構造的問題による赤字問題は、運営主体を県に変えるだけで解決するものではない。

【問】市町村国保の県移管に係る協議の状況について
【答】国は国保に対する財政支援の拡充をしっかり行い、責任をもって取り組んでいくと表明。しかし現時点で、その具体策は明らかにしていない。全国知事会で構造問題解決の具体策を一刻も早く示すよう求めている。市町村との役割分担は、財政運営は県が担い、保険料の賦課徴収や保健事業について、住民に身近な市町村が役割を積極的に果す方向で検討されている。

【問】国民健康保険制度における運営主体について
【答】国保制度を持続可能な制度とするため、国費の拡充による財政基盤の強化が必要。県として、構造的問題に起因する赤字問題の解決が図られれば、財政運営、資格管理、保険料の徴収、保険事業など、県と市町村の役割と責任を明確にしつつ、県としての責任を担う考え。

 

◎局地的豪雨対策について(知事へ質問)


(これまでの経過)
本県の土砂災害の危険箇所13,150箇所のうち、警戒区域の指定は、わずか4%の530箇所にとどまり、指定率の低さが際立っていた。その後、2009年7月に、篠栗町の警戒区域に指定していない区域で、2人が死亡する土砂災害が起き、その直近の9月議会で、会派として警戒区域の指定の取り組みを推進するよう当時の知事に質問。これを受け2013年度までに、危険箇所よりも多い17,551ヶ所を警戒区域(イエローゾーン)に指定、そのうち特別警戒区域(レッドゾーン)を16,027箇所指定した経緯がある。

【問】警戒区域指定後の市町村の危険性周知とハザードマップの作成状況について
【答】県内55市町村のうち、現時点で28市町がハザードマップを作成、住民へ配布済み。1町で10月末までに作成、配布される。残る26市町村のうち24市町村は今年度末までに、2市は平成27年度中にハザードマップが作成される予定。

【問】必要な警戒避難体制の整備について
【答】市町村は、警戒区域の指定で地域防災計画において、土砂災害に関する警戒避難体制、土砂災害警戒情報の伝達、避難勧告の発令、避難場所等の事項を定める。

【問】がけ地近接等危険住宅移転事業の周知について
【答】事業概要を県のホームページに掲載、毎年、市町村での事業説明会で住民への周知を依頼し、パンフレットを配布。
※がけ地近接等危険住宅移転事業は、未だ県民が誰も利用していないことを指摘・再質問。県は制度の趣旨を県民に周知徹底することを約束し、制度の利用促進を図ることとなった。

【問】土砂災害警戒区域内住民の避難場所の安全確保について
【答】今回の広島の土砂災害を受け、緊急の安全点検を要請。これまでのところ、県全体で約4,000ある中で、警戒区域内には422の避難場所がある。このうち、
① 安全性が確保され、引き続き使用される予定が、54箇所
② 安全性が確保されておらず、廃止予定が、100箇所
③ 安全性を確認中のものが、268箇所

このため、県は市町村に対し、
① まず、安全性を確認中のものについては、確認作業を急ぐこと
② できる限り、警戒区域外の避難場所を確保すること
③ 警戒区域外の避難場所が遠方にしかない場合、安全性を確認した上で、警戒区域内の避難場所を確保すること

【問】タイムライン(事前防災行動計画)の評価と県地域防災計画への導入について
【答】タイムラインとは台風のように、あらかじめ発生が予測できる災害を対象に、関係機関や住民が災害時にどう対応するかを時系列で整理した行動計画。

タイムラインの効用は、
①災害対応の漏れや遅れを防ぐことができる。
②関係機関の対応について情報共有できる。
③関係機関相互の協力関係が構築できる。
県は、国の検証作業の結果を踏まえ、台風災害に備えたタイムラインの導入について研究する。

 

◎全国学力テストの課題(知事と教育長へ質問)


【問】全国学力テストの全国平均以下の結果について(知事と教育長へ質問)
【答】(知事)今回の結果は大変残念、厳しい現実として率直に受け止める。
【答】(教育長)8教科区分全てで全国平均を下回り、5つの教科区分で2007年度より地区間の差が広がっている。県民の期待に応えることができなかったことを大変重く受け止めている。

【問】成績公表のあり方について
※会派は市町村別も学校ごとの公表も、競争をあおり序列化につながる理由から反対。
【答】(知事)調査結果の公表は、教育委員会や学校が行うべき事項であると明示されている。 私自身は、独断で公表することは考えていない。
【答】(教育長)文部科学省が実施要領で示している配慮事項等に基づき、教育委員会において適切に対応。

【問】市町村ごとの公表について
【答】(教育長)市町村ごとの公表は、市町村教育委員会の同意を得た上で、市町村別の結果を公表する。序列化や過度な競争が生じないようにするなど教育上の効果や影響等を十分配慮し、市町村教育委員会と適切な公表の在り方について検討を重ねている。

【問】学校ごとの成績公表に対する考えについて
【答】(教育長)小・中学校の教育活動を管理・指導する権限と責任は、市町村教育委員会が有している。学力調査の学校ごとの結果公表も市町村教育委員会が判断すべき。

【問】4地区格差の解消など課題改善の取り組みについて
【答】(教育長) 学力の低い層の割合が高く地域間の差が大きい。学力向上に関する課題を全教職員で共有し、学校全体で取り組む学校の割合が低い。両政令市や市町村教育委員会と協議を行い、県全体で足並みを揃えて学力向上に取り組んでいく体制を早急に整えたい。他県の取組みを参考に、言語活動等を重視した授業改善等に取り組む学校を積極的に支援する。
(※会派の考えが十分反映された回答。)

 

2.一般質問(質問者と項目・登壇順)



①堤 議員
・女性活躍のための環境整備  ・ひとり親家庭

②田辺議員
・地域防災力の強化  ・主権者教育の推進について

③宮浦議員
・学校図書館と学校司書の配置の充実  ・公立夜間中学校の設置

④畑中議員
・感染症対策  ・児童・生徒の個人情報保護

⑤原中議員
・福岡県歯科口腔保健推進計画と医療費適正化

⑥吉武議員
・市町村の「まちづくり」支援  ・食品表示法

⑦井上議員
・非正規公務員の処遇改善  ・児童相談所の体制強化

⑧中村議員
・教育環境の改善  ・人口減少社会対策

⑨原竹議員
・高尾川、鷺田川治水対策  ・洪水被害による商店街等の対応
・県立農業大学と県立農業高等学校

 

3.採択された意見書・決議


農協改革に関するに意見書(全会派で提案)
軽油免税制度及び燃油高騰対策に関する意見書(全会派で提案)
○電力会社及び再生可能エネルギー発電事業者に対する指導・助言、報告徴収及び立入検査権限を都道府県へも付与することを求める意見書
教員定数の改善及び義務教育国庫負担制度の充実を求める意見書
(民主党・県政クラブ提案)
○産後ケア体制の支援強化を求める意見書
森林整備加速化・林業再生基金の延長に関する意見書 (緑友会・清新提案)
暴力団に関する決議(全会派で提案)